2010年08月28日
『三国志』十二の巻・霹靂の星 北方謙三
英雄は去り行く。劉備の遺志を受け継いだ諸葛亮は、疲弊した蜀の国力を一年で回復させた。蜀に残された道を進むべく、孔明は、自ら豪族たちの蔓延る南中の平定を目指す。一方、大軍を率いて呉に大敗した魏帝曹丕は、周囲の反対を押し切り、再び広陵への親征を強行する。だが、度重なる敗戦は彼の身体をも蝕んでいく。魏の侵攻を悉く退け、さらなる飛躍の機を伺う陸遜。孔明の乾坤一擲の北伐策に、その武勇を賭ける趙雲。遺された志に光は射すのか。北方「三国志」慟哭の第十二巻。
われに鳥翼はなし。自ら駈け続ける孔明の孤影に、光は射すのか。去り行く者の声。魂の呻き。蜃気楼の如く蘇る、若き苦悩の日々よ。天下よ、はるかなる地平よ。いまこそ、わが手に。北方三国志、躍動の第12巻。
三国志を少しでも囓った者ならば、街亭の敗戦(霹靂)を知っていることでしょう。だから、丁寧に父子のような関係を描写されると、読むのが辛くなります。ということで、北方三国志は、初めて三国志を読む人が手にす可き作品だと思う次第。
今巻は、孟獲の七縱七禽、魏の文帝の崩御、司馬懿による孟達の駆逐、馬謖ショック、陸遜の活躍、▲▲の再登場、▲▲の死、という感じかな。個人的には、孟達の孔明評が正確だったのと、司馬懿が失禁した場面が心に残りました。
三国志〈12の巻〉霹靂の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)著者:北方 謙三
角川春樹事務所(2002-05)
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